★第12回鎌倉同人会講座「禅の自然観を探るー瑞泉寺一覧亭と富士」の報告
立春を過ぎたとはいえ余寒の厳しい2月8日、第12回鎌倉同人会講座「禅の自然観を探る──瑞泉寺
一覧亭と富士」と題して、大下一真瑞泉寺住職(鎌倉同人会副会長)を講師に、会員限定のフィールド
講演会を行いました。当日は天候に恵まれ、まず大下住職の先導で参加者23名が瑞泉寺の裏山で山号
でもある錦屏山に登りました。
鎌倉石の岩盤に地形に応じて巧みにアレンジした彫刻のような壁や、途中、庭の滝のために天水を蓄
える貯水槽の仕掛けなどを見ながら、最初の2つの橋を含め十八曲りを辿り頂上にある徧界一覧亭を目
指しました。一般には公開していない一覧亭を拝見できるのは、同人会ならではのことです。
一覧亭の立つ頂上からは、遥か西空に雪をかぶった富士山、丹沢・箱根の山々、伊豆半島、相模湾と
壮大な景色が望め、一同感激すること頻りでした。今、北・東側は木に覆われていますが、一覧亭が建
った当時は360度の景色を眺めることができたので偏界一覧亭の名がついたのだろうとの大下住職の説
明がありました。
この広大な景色を取り込んでの夢想国師(疎石)の庭作りを目の当たりにし、また一覧亭に集い詩会
を開いた当時の鎌倉五山の僧たちに心を馳せました。現在の小堂は、昭和10年に建てられたものだそう
です。 滑りそうなところに土嚢を積んだりと、庭師の方々の心遣いで急な山道を全員無事に下ってくる
ことができました。
その後、座学に移り、大下住職から仏教の経典や宗派の成り立ち、禅宗と他宗との違い、禅寺がいか
に山(自然)を大事にしてきたかなど、特に夢窓国師の生涯をひもときながら、日本の重要な寺々や瑞
泉寺との関係、自然を取り込んだスケール感が絶妙な禅庭の哲学など、普段あまり聞くことのできない
貴重なお話を聞くことができました。
終了後、“特別なお客様”のために庭の滝に水を落してくださり、〝坐雨観泉〟を拝見しました。
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住職の説明 いざ一覧亭へ山登り
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錦屏山瑞泉寺一覧亭 一覧亭からの富士山
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瑞泉寺庭園 一覧亭からの富士山遠望
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参加者の皆さん
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下山 坐雨観泉 座学
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新編鎌倉志の瑞泉寺図 夢想国師が立てた泊船庵あと(現米軍横須賀基地内)石井会員提供
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